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第9部分

[日文]人间失格 作者 太宰治-第9部分

小说: [日文]人间失格 作者 太宰治 字数: 每页4000字

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これあ、お前が悪いんじゃない。こんな、いい男に産んだお前のおふくろが悪いんだ」色の浅ぁ⒋笱С訾撙郡い矢肖袱韦蓼廊簸な痖Lでした。いきなりそう言われて自分は、自分の顔の半面にべったり赤痣《あかあざ》でもあるような、みにくい不具者のような、みじめな気がしました。この柔道か剣道の選手のような署長の取眨伽稀gにあっさりしていて、あの深夜の老巡査のひそかな、執拗《しつよう》きわまる好色の「取眨佟工趣稀㈦吥啶尾瞍ⅳ辘蓼筏俊S崋枻工螭恰⑹痖Lは、検事局に送る書類をしたためながら、「からだを丈夫にしなけれゃ、いかんね。血痰《けったん》が出ているようじゃないか」と言いました。その朝、へんに咳《せき》が出て、自分は咳の出るたびに、ハンケチで口を覆っていたのですが、そのハンケチに赤い霰《あられ》が降ったみたいに血がついていたのです。けれども、それは、喉《のど》から出た血ではなく、昨夜、耳の下に出来た小さいおできをいじって、そのおできから出た血なのでした。しかし、自分は、それを言い明さないほうが、便宜な事もあるような気がふっとしたものですから、ただ、「はい」と、伏眼になり、殊勝げに答えて置きました。署長は書類を書き終えて、「起訴になるかどうか、それは検事殿がきめることだが、お前の身元引受人に、電報か電話で、きょう横浜の検事局に来てもらうように、たのんだほうがいいな。誰か、あるだろう、お前の保護者とか保証人とかいうものが」父の枺─蝿e荘に出入りしていた書画|骨董《こっとう》商の渋田という、自分たちと同郷人で、父のたいこ持ちみたいな役も勤めていたずんぐりした独身の四十男が、自分の学校の保証人になっているのを、自分は思い出しました。その男の顔が、殊に眼つきが、ヒラメに似ているというので、父はいつもその男をヒラメと呼び、自分も、そう呼びなれていました。自分は警察の電話帳を借りて、ヒラメの家の電話番号を捜し、見つかったので、ヒラメに電話して、横浜の検事局に来てくれるように頼みましたら、ヒラメは人が変ったみたいな威張った口眨恰ⅳ饯欷扦狻ⅳ趣摔埭堡皮欷蓼筏俊!袱ぁⅳ饯坞娫挋C、すぐ消毒したほうがいいぜ。何せ、血痰が出ているんだから」自分が、また保護室に引き上げてから、お巡りたちにそう言いつけている署長の大きな声が、保護室に坐っている自分の耳にまで、とどきました。お昼すぎ、自分は、細い麻繩で胴を俊椁臁ⅳ饯欷膝蕙螗趣请Lすことを許されましたが、その麻繩の端を若いお巡りが、しっかり握っていて、二人一緒に電車で横浜に向いました。けれども、自分には少しの不安も無く、あの警察の保護室も、老巡査もなつかしく、嗚呼《ああ》、自分はどうしてこうなのでしょう、罪人として俊椁欷毪取ⅳà盲皮郅盲趣筏啤ⅳ饯Δ筏皮妞盲郡曷浃沥膜い啤ⅳ饯螘rの追憶を、いま書くに当っても、本当にのびのびした楽しい気持になるのです。しかし、その時期のなつかしい[#「なつかしい」に傍点]思い出の中にも、たった一つ、冷汗三斗の、生涯わすれられぬ悲惨なしくじりがあったのです。自分は、検事局の薄暗い一室で、検事の簡単な取眨伽蚴埭堡蓼筏俊适陇纤氖畾r前後の物静かな、(もし自分が美貌だったとしても、それは謂《い》わば邪淫の美貌だったに摺いⅳ辘蓼护螭ⅳ饯螚适陇晤啢稀⒄筏っ烂病ⅳ趣扦庋预い郡い瑜Δ省⒙嚸鳏示仓k《せいひつ》の気配を持っていました)コセコセしない人柄のようでしたので、自分も全く警戒せず、ぼんやり陳述していたのですが、突然、れいの咳が出て来て、自分は袂からハンケチを出し、ふとその血を見て、この咳もまた何かの役に立つかも知れぬとあさましい駈引きの心を起し、ゴホン、ゴホンと二つばかり、おまけの贋《にせ》の咳を大袈裟《おおげさ》に附け加えて、ハンケチで口を覆ったまま検事の顔をちらと見た、間一髪、「ほんとうかい?」ものしずかな微笑でした。冷汗三斗、いいえ、いま思い出しても、きりきり舞いをしたくなります。中学時代に、あの馬鹿の竹一から、ワザ、ワザ、と言われて脊中《せなか》を突かれ、地獄に蹴落《けおと》された、その時の思い以上と言っても、決して過言では無い気持です。あれと、これと、二つ、自分の生涯に於ける演技の大失敗の記録です。検事のあんな物静かな侮蔑《ぶべつ》に遭うよりは、いっそ自分は十年の刑を言い渡されたほうが、ましだったと思う事さえ、時たまある程なのです。自分は起訴猶予になりました。けれども一向にうれしくなく、世にもみじめな気持で、検事局の控室のベンチに腰かけ、引取り人のヒラメが来るのを待っていました。背後の高い窓から夕焼けの空が見え、鴎《かもめ》が、「女」という字みたいな形で飛んでいました。[#改頁]
  第三の手記
  一
  竹一の予言の、一つは当り、一つは、はずれました。惚《ほ》れられるという、名誉で無い予言のほうは、あたりましたが、きっと偉い剑摔胜毪趣いΑ⒆8¥斡柩预稀ⅳ悉氦欷蓼筏俊W苑证稀ⅳ铯氦恕⒋謵櫎孰j誌の、無名の下手な漫画家になる事が出来ただけでした。妗畟}の事件のために、高等学校からは追放せられ、自分は、ヒラメの家の二階の、三畳の部屋で寝起きして、故郷からは月々、極めて小額の金が、それも直接に自分宛ではなく、ヒラメのところにひそかに送られて来ている様子でしたが、(しかも、それは故郷の兄たちが、父にかくして送ってくれているという形式になっていたようでした)それっきり、あとは故郷とのつながりを全然、断ち切られてしまい、そうして、ヒラメはいつも不機嫌、自分があいそ笑いをしても、笑わず、人間というものはこんなにも簡単に、それこそ手のひらをかえすが如くに変化できるものかと、あさましく、いや、むしろ滑稽に思われるくらいの、ひどい変り様で、「出ちゃいけませんよ。とにかく、出ないで下さいよ」そればかり自分に言っているのでした。ヒラメは、自分に自殺のおそれありと、にらんでいるらしく、つまり、女の後を追ってまた海へ飛び込んだりする危険があると見てとっているらしく、自分の外出を固く禁じているのでした。けれども、酒も飲めないし、煙草も吸えないし、ただ、朝から晚まで二階の三畳のこたつにもぐって、古雑誌なんか読んで阿呆同然のくらしをしている自分には、自殺の気力さえ失われていました。ヒラメの家は、大久保の医専の近くにあり、書画骨董商、青竜園、だなどと看板の文字だけは相当に気張っていても、一棟二戸の、その一戸で、店の間口も狭く、店内はホコリだらけで、いい加減なガラクタばかり並べ、(もっとも、ヒラメはその店のガラクタにたよって商売しているわけではなく、こっちの所謂旦那の秘蔵のものを、あっちの所謂旦那にその所有権をゆずる場合などに活躍して、お金をもうけているらしいのです)店に坐っている事は殆ど無く、たいてい朝から、むずかしそうな顔をしてそそくさと出かけ、留守は十七、八の小僧ひとり、これが自分の見張り番というわけで、ひまさえあれば近所の子供たちと外でキャッチボ毪胜嗓筏皮い皮狻⒍Aの居候をまるで馬鹿か気摺い椁い怂激盲皮い毪椁筏⒋笕恕钉趣省筏握h教くさい事まで自分に言い聞かせ、自分は、ひとと言い争いの出来ない伲钉郡痢筏胜韦恰⑵¥欷郡瑜Δ省ⅳ蓼俊⒏行膜筏郡瑜Δ暑啢颏筏皮饯欷硕騼Aけ、服従しているのでした。この小僧は渋田のかくし子で、それでもへんな事情があって、渋田は所謂親子の名仱辘颏护骸ⅳ蓼繙i田がずっと独身なのも、何やらその辺に理由があっての事らしく、自分も以前、自分の家の者たちからそれに就いての噂《うわさ》を、ちょっと聞いたような気もするのですが、自分は、どうも他人の身の上には、あまり興味を持てないほうなので、深い事は何も知りません。しかし、その小僧の眼つきにも、妙に魚の眼を聯想《れんそう》させるところがありましたから、或いは、本当にヒラメのかくし子、……でも、それならば、二人は実に淋しい親子でした。夜おそく、二階の自分には内緒で、二人でおそばなどを取寄せて無言で食べている事がありました。ヒラメの家では食事はいつもその小僧がつくり、二階のやっかい者の食事だけは別にお膳《ぜん》に載せて小僧が三度々々二階に持ち撙螭抢搐皮欷啤ⅴ谣楗幛刃∩稀㈦A段の下のじめじめした四畳半で何やら、カチャカチャ皿小悚未イ旌悉σ簸颏丹护胜椤ⅳい饯筏菠耸呈陇筏皮い毪韦扦筏俊H履─位颏胂Ψ健ⅴ谣楗幛纤激铯踏猡Δ笨冥摔扦猡ⅳ辘膜い郡韦ⅳ蓼郡虾韦瞬呗预扦猡ⅳ盲郡韦ⅲà饯味膜瓮撇欷ⅳ趣猡说堡盲皮い郡趣筏皮狻ⅳ饯椁稀ⅳ丹椁摔蓼郡い膜巍⒆苑证胜嗓摔悉趣皮馔撇欷韦趣嗓胜い长蓼ぴ颏猡ⅳ盲郡韦扦筏绀Δ┳苑证螂A下の珍らしくお銚子《ちょうし》など附いている食卓に招いて、ヒラメならぬマグロの刺身に、ごちそうの主人《あるじ》みずから感服し、賞祝钉筏绀Δ丹蟆筏贰ⅳ埭螭浃辘筏皮い刖雍颏摔馍伽筏皮颏工工帷ⅰ袱嗓Δ工毪膜猡辘胜螭扦埂ⅳい盲郡ぁⅳ长欷椤棺苑证悉饯欷舜黏à骸⒆可悉蚊螭楫掱敗钉郡郡撙い铯贰筏颏膜蓼呱悉病ⅳ饯涡◆~たちの銀の眼玉を眺めていたら、酔いがほのぼの発して来て、撸Г訌hっていた頃がなつかしく、堀木でさえなつかしく、つくづく「自由」が欲しくなり、ふっと、かぼそく泣きそうになりました。自分がこの家へ来てからは、道化を演ずる張合いさえ無く、ただもうヒラメと小僧の蔑視の中に身を横たえ、ヒラメのほうでもまた、自分と打ち解けた長噺をするのを避けている様子でしたし、自分もそのヒラメを追いかけて何かを訴える気などは起らず、ほとんど自分は、間抜けづらの居候になり切っていたのです。「起訴猶予というのは、前科何犯とか、そんなものには、ならない模様です。だから、まあ、あなたの心掛け一つで、更生が出来るわけです。あなたが、もし、改心して、あなたのほうから、真面目に私に相談を持ちかけてくれたら、私も考えてみます」ヒラメの話方には、いや、世の中の全部の人の話方には、このようにややこしく、どこか朦朧《もうろう》として、逃腰とでもいったみたいな微妙な眩jさがあり、そのほとんど無益と思われるくらいの厳重な警戒と、無数といっていいくらいの小うるさい駈引とには、いつも自分は当惑し、どうでもいいやという気分になって、お道化で茶化したり、または無言の首肯で一さいおまかせという、謂わば敗北の態度をとってしまうのでした。この時もヒラメが、自分に向って、だいたい次のように簡単に報告すれば、それですむ事だったのを自分は後年に到って知り、ヒラメの不必要な用心、いや、世の中の人たちの不可解な見栄、おていさいに、何とも陰鬱な思いをしました。ヒラメは、その時、ただこう言えばよかったのでした。「官立でも私立でも、とにかく四月から、どこかの学校へはいりなさい。あなたの生活費は、学校へはいると、くにから、もっと充分に送って来る事になっているのです。」ずっと後になってわかったのですが、事実は、そのようになっていたのでした。そうして、自分もその言いつけに従ったでしょう。それなのに、ヒラメのいやに用心深く持って廻った言い方のために、妙にこじれ、自分の生きて行く方向もまるで変ってしまったのです。「真面目に私に相談を持ちかけてくれる気持が無ければ、仕様がないですが」「どんな相談?」自分には

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