白夜行:日文版-第13部分
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「バイオリンや」
「バイオリン?」
「その女は、放課後いつも音楽室でバイオリンを弾いてる。見たらわかる」
「音楽室の中なんか、見えるのかな」
「そんなもん、自分の目でたしかめたらええやんけ」そういうと牟田は、もう用はなくなったといわんばかりに仲間たちのほうに顔を戻した。
ここで余計なことをいうと牟田がヒステリ蚱黏长工长趣蛑盲皮い胄垡护稀Ⅻaってそこを離れた。
牟田が、上品で金持ちの娘が通うことで有名な清華女子学園中等部の女子生徒に目をつけ始めたのは、一学期の半ばだった。どうやら彼等不良グル驻伍gで、清華の女子を追い回すことが流行《はや》っているらしい。もっとも、実際にお嬢様をものにした者がいるのかどうかはさだかではない。
目当ての女子生徒の写真を撮ることについては、雄一のほうから牟田に話を持ちかけた。彼等が彼女たちの写真を欲しがっているという話を耳にしたからだ。趣味の写真を続けるには小遣いが足りないという、雄一なりの事情もあった。
牟田が最初に依頼してきたのが唐沢雪罚Г涡凑妞坤盲俊P垡护胃写イ扦稀⒛蔡铯媳練荬茄┓'のことが気に入っているようだった。その証拠に、少々出来のよくない写真でも、彼は決していらないとはいわなかった。
それだけにフジムラミヤコという別の名前が出てきたのは意外だった。唐沢雪罚Г悉趣皮猡猡韦摔扦饯Δ摔胜い韦恰ⅳ郅闻摔饽郡颏膜笔激幛郡韦猡筏欷胜い人激盲俊¥い氦欷摔筏皮庑垡护摔趣盲皮祥v係のないことだった。
昼休みに雄一が弁当を食べ終え、空の弁当箱を鞄にしまっていると、菊池がそばにやってきた。手に大きな封筒を持っている。
「これからちょっと屋上まで一緒に行ってくれへんか」
「屋上? 何のために?」
「例の話や」菊池は封筒の口を開き、雄一に中を見せた。そこには、昨日雄一が貸した写真が入っていた。
「ふうん」興味が湧いた。「そら、付き合《お》うてもかめへんけど」
「よし、行こう」
菊池に促され、雄一は腰を上げた。
屋上には誰もいなかった。少し前までは不良生徒たちの溜まり場だった。しかし大量の吸殻が見つかったことがきっかけで、生徒指導の教師が頻繁に見回るようになり、誰も寄りつかなくなったのだ。
数分して、階段室のドアが開いた。そこから現れたのは、雄一たちと同じクラスの男子生徒だった。名前は知っている。だが雄一は殆ど話をしたことはなかった。
桐原、といった。下の名前までは覚えていない。
雄一に限らず、誰もあまり彼とは親しくしていないようだった。何をする時でも特に目立つことはなく、授業中に発言することもめったにない。昼休みや休憩時間は、いつも一人で本を読んでいる。陰気な奴、というのが雄一の印象だ。
桐原は雄一と菊池の前で立ち止まると、二人の顔を交互に見つめた。その目にはこれまで見せたことのない鋭い光が宿っているようで、雄一は一瞬どきりとした。
「俺に何の用や」ぶっきらぼうな口眨峭┰嫌崵い俊>粘丐摔蚝簸映訾筏郡椁筏ぁ
「見せたいものがあってな」その菊池がいった。
「見せたいもの?」
「これや」菊池は例の封筒から写真を取り出した。
桐原は警戒した様子で近づき、写真を受け取った。白位妞蛞黄场钉い沥伽摹筏筏勘摔文郡螭婇_かれた。「なんや、これ」
「何かの参考になるんやないかと思てね」菊池はいった。「四年前の事件について」
雄一は菊池の横顔を見た。四年前の事件とは何だ。
「何がいいたい」桐原が菊池を睨んだ。
「わかれへんか。その写真に写ってるのは、おまえのおふくろさんやろ」
えっ、という声を漏らしたのは雄一だった。そんな彼を桐原はじろりと見てから、再び鋭い目を菊池に向けた。
「摺Α¥Δ沥文赣Hやない」
「なんでや。よう見てみろよ。おふくろさんやないか。それに一緒に歩いてるのは、前におまえのところにおった店員やろ」菊池はややむきになっているようだ。
桐原はもう一度写真を見てから、ゆっくりとかぶりを振った。
「何のことか、さっぱりわからんな。とにかくここに写ってるのはおふくろやない。つまらんことをいうのはやめてくれ」そして写真を菊池に返すと、くるりと向きを変えてそのまま歩きだした。
「これ、布施駅の近くやろ。おまえの家からも近いやないか」菊池は早口で桐原の背中にいった。「それにこの写真は四年前のもんや。電柱に貼ってある映画のポスタ扦铯盲俊¥长臁ⅰ亥弗绁拴‘は戦場へ行った』や」
桐原の足が止まった。しかし彼は菊池とゆっくり話をする気はないようだった。
「うるさいな」彼は顔を少し後ろに捻っていった。「おまえには関係のないことやろ」
「親切でいうてやってるんやないか」
菊池はいい返したが、桐原は再び二人を睨みつけただけで、そのまま階段室に向かって歩きだした。
「せっかく手がかりになると思ったのに」桐原の姿が消えてから菊池はいった。
「何の手がかりや」雄一は訊いた。「四年前の事件て何やねん」
すると菊池は雄一を見て不思議そうな顔をし、その後で頷いた。
「そうか、秋吉はあいつとは小学校が摺Δ椤ⅳⅳ问录韦长趣现椁螭韦浃省
「だからどういう事件や」
雄一がいらいらして訊くと、菊池は周りを見回してからいった。
「秋吉、真澄公園って知ってるか。布施駅の近くにあるんやけど」
「マスミ公園? ああ……」雄一は頷いた。「昔、一回だけ行ったことがある」
「あの公園の横にビルがあるのを覚えてるか。ビルというても、建築途中でほったらかしになってるようなやつやけどな」
「そこまでは覚えてへんなあ。そのビルがどうしたんや」
「四年前、そのビルの中で桐原の親父さんが殺された」
「えっ……」
「金をとられてたから強盗の仕業やろうといわれてた。その頃はすごかったで。毎日毎日、町中を警察官がうろうろしとった」
「犯人はつかまったんか」
「一応、犯人らしき男は見つかったけど、はっきりしたことはわからんままや。そいつ、死んでしもた」
「死んだ? 殺されたんか」
いやいや、と菊池は首を振った。
「交通事故や。で、警察がその男の持ち物を眨伽郡椤⑼┰斡H父さんが持ってたのと同じライタ姢膜盲皮螭啤
「ふうん、ライタ颉¥饯欷浃盲郡闆Q定的やないか」
「そうとはいいきれんで。同じライタ坤趣いΔ坤堡韦长趣恰⑼┰斡H父さんのものと決まったわけやない。で、問睿悉长长椁洹咕粘丐想A段室のほうをちらりと見て、声を低くした。「しばらくしてから変な噂が流れた」
「変な噂?」
「犯人は奥さんと摺Δⅳ趣いgやった」
「奥さん?」
「桐原のおふくろさんや。店の者とできてて、それで親父さんが邪魔になったんやないかという話やった」
菊池によると、桐原の家は伲荬颏筏皮い毪椁筏ぁ5辘握撙趣いΔ韦稀ⅳ饯钨|屋で働いていた男のことを指すようだ。
だが雄一としては、友人の口からこういう話を聞かされても、テレビドラマの筋を聞いているようで実感が湧かなかった。「店の者とできてて」という台詞も、ぴんとこない。「それで、どうなった?」雄一は先を促した。
「結構長い間、そういう噂は流れとった。けど、結局は大して根拠のないことやし、そのうちにうやむやになってしもた。俺も忘れかけとった。ところがこの写真や」菊池は先程の写真を見せた。「これ見てみろ。後ろに写ってるのは連れ込みホテルやで。この二人、きっとここから出てきよったんやぞ」
「この写真があったら、何か摺盲皮毪韦
「摺盲皮毪藳Qまってるやないか。桐原のおふくろさんが店員と浮気してたことの証拠や。つまり親父さんを殺す動機があるということになる。そう思たから、この写真を桐原に見せたったのに」
菊池は図書館の本をよく読んでいる。動機などという言葉がすんなり出てくるのも、その賜物《たまもの》なのだろう。
「そうはいうても、桐原にしてみたら、自分の母親のことを疑うわけにはいかんやろ」雄一はいった。
「その気持ちはわかるけど、どんなにいやなことでも、はっきりさせなあかん場合というのがあるんと摺Δ咕粘丐悉浃堡藷幛盲荬た谡{でいった後、小さく吐息をついた。
「まあええ。ここに写ってるのが桐原のおふくろさんやということを何とか証明してやる。そうしたらあいつも、知らん顔はでけへんはずや。この写真を警察に持っていったら、絶対に捜査のやり直しが始まるで。俺、あの事件のことを捜査してる刑事と知り合いなんや。あのおっさんに、この写真を見せたろ」
「なんでそんなにその事件にこだわる?」不思議になって雄一は訊いた。
菊池は写真をしまいながら、上目遣いに見返してきた。
「死体を見つけたのは、俺の弟や」
「弟? 本当か」
ああ、と菊池は頷いた。
「弟の話を聞いて、俺もそこへ見に行った。そうしたら本当に死体があったから、おふくろに知らせて、警察に連絡してもろたんや」
「そういう関係があったんか」
「発見者ということで、俺らは何遍も警察から伲鼏枻丹欷俊¥筏筏省⒕欷芜B中は単に発見した時のことだけを訊きたかったわけやない」
「どういう意味や」
「警察はこういうことも考えとった。被害者は金を盗まれている。犯人が奪ったと思われる。けど、第三者が盗んだ可能性もある」
「第三者て……」
「死体発見者が、警察に知らせる前に金目のものをネコババするということは、珍しい話ではないそうや」菊池は口元に薄笑いを浮かべていった。「いや、それだけやない。警察の奴等は、もう一歩進んだことも考えとった。自分で殺しておいて、自分の息子に死体を発見させる――そういう手もあるやないかと」
「まさか……」
「嘘みたいやろ。ところが本当の話なんや。家が貧乏というだけで、俺らは最初から疑いの目で見られとった。俺のおふくろが桐原のところの客やったということにも、警察はこだわっとったみたいや」
「けど、疑いは晴れたんやろ」
菊池はふんと鼻を鳴らした。「そういう問睿浃胜ぁ
こういう話を聞かされた後では、何をどういっていいのかわからず、雄一は両手を握りしめたまま、ただ立ち尽くしていた。
その時だった。ドアの開く音がした。階段室から中年の男性教師が出てくるところだった。教師は眼鏡の奥の目をつり上げていた。
「おまえら、ここで何をやっとるんや」
別に、と菊池がぶっきらぼうにいった。
「おまえ、それ何や。何を持ってる」教師は菊池の封筒に目をつけた。「ちょっと見せてみい」
エロ写真か何かと疑ったようだ。菊池は面倒臭そうに封筒を教師に渡した。教師は中身を見て、眉のあたりの力をふっと抜いた。幾分拍子抜け、そして幾分期待外れ、というふうに雄一の目には映った。
「何や、この写真」怪訝そうに教師は菊池に訊いた。
「昔の町の写真です。秋吉から借りたんです」
教師は雄一のほうを向いた。「ほんまか」
「本当です」と雄一は答えた。
教師はしばらく写真と雄一の顔を見比べた後、写真を封筒に戻した。
「勉強に関係のないものを学校に持ってくるな」
「はい、すみません」雄一は謝った。
男性教師は周囲の足元を見回した。おそらく吸殻が落ちていないかどうかを眨伽皮い毪韦坤恧ΑP窑ぁⅳ饯欷弦姢膜椁胜盲俊=處煠蠠o言で、封筒を菊池に返した。
昼休み終了のチャイムが鳴ったのは、その直後